MISt(Minimally Invasive spine Stabilization:ミスト)は“脊椎不安定性や脊椎変形によるインバランスの病態に対して、より低侵襲に固定術や制動術を達成することで脊椎の安定化を図るという新たな概念のもとに生まれた手技の総称” を意味し、本邦で提唱されました。2005年以降、PPS、MIS-TLIF、MIS-long fixation、LIF、CBT、S2AIなどの様々な手技が開発・導入され、MISt手技は高齢社会や社会のニーズを背景に急速に普及し、今日の脊椎脊髄外科領域では欠かすことのできない手技となっています。
日本MISt 研究会は、2009 年4 月に5 人の発起人(佐藤公治(名古屋)、齋藤貴徳(大阪)、星野雅洋(東京)、有園剛(福岡)、石井賢(東京) 敬称略)により、アメリカのBostonで結成されました。同年11月には、第1回日本MISt研究会が齋藤貴徳会長のもと約30名で神戸の有馬で開催され、その後も毎年の総会が開かれています。更には全国で7つの支部(北海道MISt研究会、東北MISt研究会、関東MISt研究会、中部MISt研究会、関西MISt研究会、中四国MISt研究会、九州MISt研究会)と国際支部が発足し、年間2回の研究会やハンズオンが行われています。日本MISt研究会は、発足後一貫してMISt手技の安全な普及を目的に、学閥や施設の垣根を越えて“ALL JAPAN” の精神のもと、①本音会、②症例検討会、③若手脊椎外科医師や医療従事者への教育、④若手セミナー講師の育成(MISt維新の会)、⑤学術的多施設研究、⑥国際普及・支援活動、⑦キャダバートレーニング支援、⑧新規医療機器開発などを行ってきました。本研究会のこれらの地道な学術、教育、啓蒙活動はこの10 年で120回以上にも上ります。
将来の最小侵襲脊椎外科の発展には、低侵襲手術の更なる進歩や新技術の開発のみならず、コンピュータ/仮想現実・拡張現実/人工知能/ロボット支援等の発展、術前の病態評価のための新たな診断法の確立等が重要となります。更に言えば、最小侵襲手術に加え、従来法の低侵襲化、理学療法や薬物療法などの保存療法、予防医療、再生医療などを含むより横断的かつグローバルな治療アプローチが必要不可欠と考えます。つまり、最小侵襲脊椎治療(MIST:MinimallyInvasive Spinal Treatment)といわれるような概念になるかと思います。そこで、日本MISt 研究会は10周年を迎えるにあたり、新たに理事と評議員を迎え、2019 年1月1日より最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)(Society for Minimally Invasive Spinal Treatment)と改名致しました。昨今、多くの学会や研究会が開催されていますが、その中でMIST学会の在り方としては、通常の学会では実現しにくい事を率先して行っていきたいと思います。すなわち、アカデミアベースでの強力なタッグのみならず、全国の支部の個々の先生方ともタッグを組んで、MIST関連の学術活動、本音会、情報共有、教育、国際活動、多施設研究、医療機器開発等々を行っていきます。
MIST学会の皆様が開発したMIST関連の医療機器の情報を集めております。
本WEBサイトに情報を集約して順次掲載いたします。
ご自分で開発された医療機器(承認、未承認問わず)をお持ちの先生方は本サイト内部の「機器登録・お問い合わせ」フォームからご連絡いただければ幸いです。
→MIST学会医療機器委員会サイトはこちらから