4回日本MISt研究会報告

公立学校共済組合九州中央病院 整形外科  有薗 剛

4回日本MISt学会が平成2529日福岡県二日市温泉大丸別荘で開催されました。MIStもかなり普及してきて、工夫や応用について議論を深める時期に来ているのではないかと考えまして今回は「MIStの問題点と工夫」をテーマとしました。研究会前日は福岡にも雪が積もり、全国的に大荒れの天候で交通機関の乱れが心配されましたが、当日は回復に向かい、遠方からも脳外科医7名を含む54名の先生方に参加していただきました。出来るだけ畏まらずに本音で率直な討論ができるようノーネクタイでの参加をお願いしました。

研究会は三部構成で13時からの開始でしたが、第1部から活発な討論が行われました。特に、最近盛んに行われるようになった化膿性脊椎炎に対するMIStの応用では、後方固定のみ、後方からの掻爬の追加、前方からの掻爬の追加の必要性やタイミングの重要性など様々な意見が出されました。当初より口演にも討論にも熱が入り、時間が大幅に延長してしまいました。特別講演では慈恵医大の篠原光先生に「MISt~変革への挑戦~」というタイトルで手術のセッテングの工夫から被爆問題、long fusionのこつまでお話いただき、また青森市民病院の富田卓先生には「MIStの扉」というタイトルでドレンを用いたロッドの誘導というユニークな発想による日本初のMIS-PLIFの紹介から、様々なMIStの扉の紹介をしていただきました。何れも大変興味深い素晴らしい講演でした。講演終了後にメーカーセッションと記念撮影を行い、岩ぶろの温泉を楽しんだ後、第2部を行いました。第2部の食事とお酒を楽しみながらの検討では固定術後の外固定の必要性やBKP直後の骨折部の安定性等について活発な討論が行われ、途中からは若い先生にも発言してもらいました。宿泊された先生方41名でしたが、宿泊のお部屋での第3部には20名以上が集まり、深夜まで語り明かしました。

翌日は自由解散でしたが、朝風呂や太宰府観光を楽しまれた先生や早々に帰路につかれた先生など様々でした。全体を通じて通常の学会では得られない本音の討論と温泉宿ならでは親しみのある交流ができたのではないかと思われます。ご協力いただいた方々にこの場を借りまして御礼申し上げます。